自分を好きになるより、「自分との付き合い方」を考えてみる

最近、どこかで読んだ言葉が、ずっと頭に残っています。

「自分との付き合い方」

自分を好きになる、とか。

自分を愛する、とか。

そういう言葉はこれまでも何度も聞いてきました。

私自身も使ってきた言葉です。

でも「自分と付き合う」という言葉を見たとき、なぜかハッとしました。

自分を好きになれるかどうかではなく、

私は普段、自分とどんなふうに付き合っているんだろう。

そう考えたことが、あまりなかったからです。

自分とは、毎日一緒にいます。

朝起きた瞬間から、夜眠るまで。

うまくいった日も。

何もしたくない日も。

失敗した日も。

誰にも言えないことを考えているときも。

一番近くにいるのに、その自分に対して私はどんな態度を取っているんだろう。

そう考え始めたとき、別々だと思っていた二つのことが、私の中で急につながりました。



「Kaoriさんって、優しいよね」と言われてきた

私は昔から、人に

「優しいよね」

と言ってもらうことがあります。

人の気持ちを汲み取るのが上手だね、と言われることもあります。

相手が何を感じているのかを考える。

何かあったら、

「大丈夫かな」

と思う。

話を聞く。

できることがあれば手伝う。

相手が傷ついていたら、なるべく傷つけない言葉を探す。

そういうことは、私にとってそれほど苦ではありません。

長い間そう言われ続けていると、

「私は人に優しい人なんだ」

ということが、自分の中でも一つの認識になっていました。

でも最近、

「自分との付き合い方」

という言葉を考えていたときに、ふと思ったんです。

じゃあ私は、自分にも同じように接している?

そこで、少し止まりました。



大切な人には言わない言葉を、自分には普通に言っていた

何かがうまくいかなかったとき。

「なんでこんなこともできないんだろう」

また同じことを繰り返したとき。

「ほら、また同じパターン」

思ったような結果が出なかったとき。

「だから私はうまくいかないんだ」

疲れて動けないときには、

「そんなに甘えてちゃダメ」

何かを始めても続かなかったら、

「また続かなかった」

そんな言葉が、頭の中に出てくることがあります。

一つひとつは、誰かに聞かせるわけでもない。

声に出しているわけでもない。

だから、それほど意識していませんでした。

でも考えてみると、

もし大切な友達が何かに失敗して、

「私、またできなかった」

と話してくれたら、

私は、

「だからあなたはダメなんだよ」

とは言わないと思います。

子どもが何かに挑戦して、思ったようにいかなかったときに、

「ほら。また同じこと繰り返してる」

とも言いたくない。

その人が疲れているなら、

「少し休んだら?」

と言うかもしれない。

悔しがっていたら、

「頑張ってたもんね」

と言うかもしれない。

次にどうするかを一緒に考えることもあると思います。

なのに自分には、ずいぶん違う言葉を使っている。

それに気づいたとき、

人に優しくすることと、自分を大切にすることは、もしかしたら別々の話ではなかったのかもしれない

と思いました。



別々だったものが、一つのカップの中で混ざったような感覚

うまく説明できないのですが、

「人に優しくすること」

と

「自分との付き合い方」

は、私の中ではずっと別々のものでした。

でも最近、その二つが頭の中でぐるぐる混ざりました。

コーヒーにミルクと砂糖を入れて、スプーンでぐるぐる混ぜるような感じです。

最初は別々に見えていたものが、一つのカップの中で混ざって、

あれ、これって本当は同じことなんじゃない?

と思ったんです。

人の気持ちを汲み取ることができるなら、

自分の気持ちも汲み取っていい。

誰かが疲れていることには気づけるのに、

自分が疲れていることは無視しなくてもいい。

大切な人が失敗したときに、その一回の失敗だけでその人全部を否定しないのなら、

自分にも同じように接してもいい。

誰かが苦しいときには、

「無理しなくてもいいよ」

と言えるのに、

自分にだけ、

「もっとやらなきゃ」

と言い続けなくてもいい。

こうやって並べてみると、当たり前のことに見えます。

でも私は、この二つがつながるまでにずいぶん時間がかかりました。



人に優しいことが、自己犠牲になっていたこともある

ここには、もう一つあります。

人の気持ちを考えること。

誰かを助けること。

相手を優先すること。

それ自体は、私がなくしたいものではありません。

人に優しくありたいという気持ちは、今もあります。

でも長い間、それが少し行き過ぎて、

自分を二番目、三番目に置くことまでセットになっていた

ことがありました。

誰かが困っていたら、自分の予定を変える。

相手が嫌な思いをしないように、自分が我慢する。

本当は嫌でも、相手の事情を考えて飲み込む。

疲れていても、

「これくらい大丈夫」

と思う。

相手の気持ちには敏感なのに、自分の気持ちは後にする。

それが続いていると、

自分が何を嫌だと思っているのか。

何をしたいのか。

どこまでなら大丈夫なのか。

それさえ、少しずつ分かりにくくなります。

優しくすることが悪いわけではない。

でも、

誰かへの優しさの中に、自分への厳しさが隠れていないか。

今は、そこも見ていたいと思っています。



自分を好きになれない日があっても、自分とは付き合っていく

「自分を好きになる」という言葉を考えると、

私はときどき難しく感じます。

自分を好きだと思える日もあれば、

そう思えない日もあるからです。

自分の嫌なところが見えることもあります。

また同じ失敗をして、

「もう嫌だな」

と思うこともある。

自信がなくなることもある。

そんな日に、

「自分をもっと好きにならなきゃ」

と思うと、それさえ新しい課題になってしまうことがあります。

でも、

「自分とどう付き合っていく?」

なら、少し違って聞こえました。

好きになれない日があっても、付き合っていくことはできる。

失敗している自分とも付き合う。

迷っている自分とも付き合う。

機嫌の悪い自分とも。

やる気のない自分とも。

うまくできた自分とも。

全部、自分です。

だったら、

「こんな自分はダメ」

と追い出そうとするより、

「今日はこういう自分なんだな」

と知る。

そして必要なら、

「じゃあ今日はどうする?」

と考える。

その方が、今の私にはしっくりきます。



自分との付き合い方は、毎日の小さなところに出てくる

自分との付き合い方というと、特別なことではないと思います。

失敗したとき、自分に何と言うか。

疲れているとき、どう扱うか。

本当は嫌なことに気づいたとき、どうするか。

何かできたとき、それを自分で認められるか。

人と比べて落ち込んだとき、自分にどんな視線を向けるか。

そういう小さなところに出てくる。

だから、一日で突然変わるものでもないと思っています。

長い間繰り返してきた言葉なら、気づいてもまた出てくる。

私も、

「また同じことしてる」

と思うことがあります。

でも最近は、そのあとに、

「今、私、自分にかなり厳しいこと言ってるな」

と気づくことがあります。

それだけでも、以前とは少し違います。

そこでさらに、

「大切な人だったら、私は何と言うだろう」

と考えてみる。

自分を無条件に褒めるためではありません。

失敗をなかったことにするためでもない。

ただ、自分に対してだけ必要以上に厳しい言葉を使っていないかを見る。

私にとっては、それも自分との付き合い方を変えていく一つなのだと思います。



ジャーナルを作った私も、まだ途中にいる

『心を育てる90日ジャーナル』を作ったとき、

「大切な人にかける言葉を、自分にも。」

という言葉を入れました。

そして、

「どんなとき、自分に『よくやったね』と思える?」
「『できた!』と思える瞬間はどんなとき?」
「自分について、気になってしまう部分はある?」

そんな問いも入れています。

このジャーナルで大切にしているセルフラブも、誰かを大切にしないことではなく、自分の気持ちを置き去りにせず、相手と同じように自分にも心を配る、という考え方です。

作ったときにも、大切だと思っていた言葉です。

でも今、

「自分との付き合い方」

という言葉に出会って、

私自身がその意味をもう一度考えています。

ジャーナルを作ったから、私はセルフラブができるようになった。

そんなことではありません。

私もまだ、自分に厳しい言葉を使うことがあります。

自分を後回しにすることもある。

分かっているのに、同じパターンに戻ることもある。

でも、以前より少し気づけるようになった。

そして気づいたら、

「じゃあ、どう付き合っていこうか」

と考えることができる。

それでいいのかもしれないと思っています。

考えてみれば、自分は人生でいちばん長く付き合う相手です。

朝起きたときも。

何かに失敗したときも。

誰にも言えないことを考えているときも。

うまくいったときも。

これから先も、ずっと一緒にいる。

だったら私は、

自分を好きになれるかどうかだけではなく、自分とどんなふうに付き合っていきたいか。

そこを大切にしていきたい。

今は、そんなふうに思っています。

Kaori



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『心を育てる90日ジャーナル』

書くことで、自分との関係をやさしく育てる90日間。「大切な人にかける言葉を、自分にも。」そんな問いを、毎日少しずつ。

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海外で暮らして20年以上。

シドニー在住。

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このブログでは、海外生活や人生の転機から生まれた気づきと問いを綴ります。苦しさや迷いを否定せず、答えを急がずに。あなた自身の意味を、あなたのペースで見つけていく小さなきっかけになれたら嬉しいです。

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